水と健康協会コラム第2回目、今回は、膝の痛み対策としての入浴法をご紹介します。
まずは、慢性的な膝の痛みの多くの症状である「変形性ひざ関節症」の対処について述べます。
中高年になると、ひざの痛みに悩む人が増えてきます。痛みのために長く歩けなくなったり、階段の上がり下りがつらくなったり、正座ができなくなったりします。
痛みの多くが変形性ひざ関節症によるものです。痛みを克服するには、ひざを適度に動かす方が望ましいとされています。
なお、ひざに熱や腫れがある急性期は、症状が治るまであまりひざを動かしてはいけません。いずれにしても、痛みが続く場合は必ず整形外科医に相談してから行ってください。
変形性ひざ関節症のひざの痛みは、基本的にはひざを温めることにより和らぎます
(ひざのケガ、腫れがある場合を除く)。
温めるには、入浴が一番手軽で効果的な方法の一つです。なぜ効果的かと申しますと、温熱効果によって体温の上昇、血液循環の向上をもたらし、それが痛み神経の緩和(鎮痛効果)や関節、靱帯(じんたい)などに含まれているコラーゲンという結合組織を柔らかくします。
その結果、痛みが軽くなるばかりでなく、関節を動きやすくしてくれるのです。なお、お湯の成分は水道水より温泉(特に塩類泉)の方がより効果的です。
入浴の具体例ですが、できれば、朝晩の2回入ることをお勧めします。朝の入浴で痛みが和らぎ、関節が良く動くようになると、一日の生活が活動的になり、気分もすぐれるからです。
注意点は、朝湯での湯冷めを避けるために「微温浴(38〜39度のお湯)」「半身浴」「分割湯」を心がけることです。また、ひざを温めることが目的ですので、朝はひざまでしか浸からない「部分浴」でも良いと思います。
変形性ひざ関節症でひざを動かさないでいると、体重を支える関節の力や、関節を動かす筋肉が弱くなったり、靱帯が固まったりすることで悪循環になる危険性があります。そこで、痛みが少なく、関節の柔軟性がある入浴中に、浴槽の中でゆっくりと膝の屈伸運動を行います。
痛みでひざが完全に曲がらない人でも、浴槽内の浮力によって曲がるところまでいってやめることもができます。なお、滑って転ばないように手すりを持つなどの配慮をしてください。やり過ぎは禁物ですので、10〜15回位を目安にして、翌日はひざの具合をみて、回数を増減させてください。
今回は以上となります、ご覧いただきありがとうございました。
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